朝礼訓辞

令和元年8月 朝礼訓辞

 夏の高校野球大会が昨日より甲子園球場で始まりました。岩手県の花巻東高校も出場しています。この高校からは大谷翔平と菊地雄星という、二人の有名な選手が出ており、目下、アメリカの大リーグで活躍し、日本中の野球ファンを熱狂させています。
 今年の岩手県の決勝は、花巻東高校と大船渡高校でした。大船渡高校には佐々木朗希投手という大谷選手以上の豪速球投手がいました。
 決勝戦での佐々木投手の登板を楽しみに、日本中の人が注目し期待していましたが、大船渡高校の葉山監督は、佐々木投手を起用せず、花巻東に敗れ、甲子園に出場することが出来ませんでした。  

 このことに関しては、野球評論家や、野球関係者たちの喧々(けんけん)顎(かく)顎(かく)の論争があり、高校野球史上に残る事件となりました。  

 野球だけではありません。岩手県花巻からは有名な文学者も輩出しています。皆さんもよく御存知の宮沢賢治もそうです。雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモ負ケヌ・・・の有名な詩は、不朽の名作として残されています。
 法政大学の総長をされていた哲学者の谷川徹三さんは日本の三大文学者として、平安時代の万葉集の柿本人磨を歌人としての第一人者とし、江戸時代の松尾芭蕉を俳人の第一人者とし、昭和の宮沢賢治を詩人の第一人者としてあげています。  

 宮沢賢治は、花巻出身ですが、中学は盛岡中学に入学しました。その先輩に石川啄木がいました。大谷と菊地、賢治と啄木は、それぞれお互いに先輩、後輩の関係にあり、スポーツと文学の発展、興隆に努めたのです。
 宮沢賢治は、質屋と古着屋の長男として生まれ、日本には、沢山の貧しい人が多いことに心を痛めており、いつも貧しい人、特に農民の味方でした。
 夏ノ暑サニモマケヌ、丈夫ナカラダヲモチ、欲ハナク、決シテ瞋(いか)ラズ、イツモシヅカニワラッテイル・・・ソウ云ウ人ニ私ハナリタイ。
 と続く賢治のこの詩は、賢治の心の最も奥深い願いを自分自身に云い聞かせるような気持で読んだものといわれます。
 そして日本人の作った詩の中の最高の傑作であると云われます。  

 暑さやら、台風やらで大変な夏になりそうですが、皆さん貧しい人や、苦しんでいる人や、心を病んでいる人たちの心に寄り添いながら、自分の健康にも留意しながら、今月も一緒に頑張りましょう。
 よろしくお願い申し上げます。

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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