朝礼訓辞

令和元年7月 朝礼訓辞

 皆さん、毎日お疲れさまです!しばらく姿を見せられなくて、申し訳ありませんでした。私は6月10日より、7月9日まで丁度1ヶ月間、指宿にあるメディポリス国際陽子線治療センターというところに入院し、前立腺ガンの治療をして参りました。
 1日に約20分、ベッドに横になっているだけで陽子線という放射線を幹部に照射するのですが、実際の照射は約1分間だそうで、痛みも痒くもなく、とても楽な治療でした。  

 毎日、沢山の時間がありましたので、書道をしたり、短歌を詠んだり、DVDで前から観たかった映画を観賞したりし、お陰様でゆっくり休養させていただきました。
 吉嶺先生、濱田先生、大山先生を始め、スタッフの皆さんの御好意によるものであり、心から感謝して居ります。
 この場を貸りて、心から御礼を申し上げます。
 

 皆さん、よくご存知と思いますが、主なガン治療法には現在4つあります。外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法の4つですが、その中の放射線療法にも4つあります。
 陽子線、重粒子線、X線、ガンマ線による4つの方法です。
 高校時代より、物理学が苦手でしたので、私もよく解らないのですが、陽子線はプロトンと呼ばれ、水素原子イオンや炭素原子イオンなどの粒子の流れです。これらの粒子をシンクロトンという加速器により、光速(光の速さ)近くまで加速し、ガンの病巣に向け照射します。陽子線は、ガン病巣のみをねらい撃ち出来るため、まわりの正常組織への影響を最小限に抑えることができるため、ガン細胞に対し集中的に致死的ダメージを与えることができ、根本的なガン治療が可能になったのです。  

 指宿のメディポリス陽子線治療で適応しているガンは、頭頚部腫瘍、前立腺ガン、骨軟部腫瘍(骨肉腫など)と小児ガンの4つで、これらは昨年2018年4月から健康保険適応となりました。
 保険適応のないガンは総額で330万円かかりますが、健康保険に入っていれば、約10分の1ですみ、高額療養費制度もありますので、これを使えばもっと安くなります。
 放射線療法の健康保険適応が、少しずつ増えて行き抗ガン剤の進歩により、ガンは恐ろしい病気ではなくなり、薬を飲みながら、仕事に行けるという時代が、もうすぐそこに来ています。
 ですから将来はガンも高血圧、糖尿病などと一緒に慢性疾患になる時代がやって参ります。  

 皆さんもそう心配することはない
 と思いますが、しかしガン健診だけはいつも気懸けて受けて自分で自分の身体を守ることを心懸けて下さい。  

 今月の初めは大変な雨でしたが、これからは暑い夏がやって参ります。体調に気を付けて、今月も頑張りましょう。
 よろしくお願い申し上げます。

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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