朝礼訓辞

令和4年3月 朝礼訓辞

 一昨年の暮れに発刊されベストセラーにもなった「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」という雑誌があります。

 その中の1つに落語家の桂小金治さんの話があります。 子供の頃、ハーモニカが流行りました。ほしくて父親にねだると、父親は榊の葉を吹いて見事に曲を奏でました。練習すれば吹けるようになるよ、と言わ れ、一生懸命練習しましたが、うまく行かず止めてしまいました。


 すると父親が言いました。「努力までは誰でもする、大事なのは努力の上に辛抱という棒を立てることだ、するとその土に花が咲く」 この言葉に小金治さんは発奮と努力を続け草笛を見事に吹けるようになりました。


 もう1つ高橋恵さんという人の忘れられない話があります。高橋さんは10歳の時、太平洋戦争で父親を亡くしました。母親は3人の子を残されとても育てられない、と思い一家心中を考えます。

 そんなある日、玄関に1枚の紙切れが挟まれていました。それにはこう書いていました。「あなたには3つの太陽があるじゃありませんか、今は雲の中に隠れていても、必ず光り輝くときが来るでしょう、それまでどうか、挫けないで頑張って生きてください」
 この手紙に母親は気を取り直し、一家を養うために身を粉にして働き始めました。この体験が高橋さんの生涯を貫くボランティアの原動になりました。

 その母親が常に言っていた言葉があります。「天知る 地知る 我知る どんなに貧しくなろうとも心まで貧しくなってはならない」

 どんな言葉を支えに実行しているか、その積重ねが人生を決定して行くことを忘れてはなりません。


 コロナ・オミクロンのパンデミックの中で、世界中の人が騒然としている中にこともあろうか、ロシアがウクライナを攻撃し、自分の国に合併し領土を広げようと第三次世界大戦を思わせる出来事が起こりました。

 第二次世界大戦のとき、ドイツがポーランドに侵攻した時の状況に似ていると言われます。
 罪のない民間人が殺され、親子・兄弟がバラバラになり殺し、殺され、沢山の人が苦しんでいます。


 何時の日か解決、終決して平和な世界が生まれることを願っています。


 令和3年度も最後の月となりました。色んなことに心を奪われることなく、目の前の自分に与えられた仕事に励みましょう。


 今月もよろしくお願いします。一緒に頑張りましょう。


(改知2月号より)
令和 4年 3月 9日(水)

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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