朝礼訓辞

平成28年1月 朝礼訓辞

 皆さん明けましてお目出度うございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 昨年12月20日付の南日本新聞に、精神疾患が15年倍増という記事がありました。精神疾患は
3年前から、糖尿病、脳卒中、ガン、急性心筋梗塞と並ぶ「5大疾患」に指定されました。
 鹿児島県の精神疾患の内訳は、統合失調症が1万7千人で最も多く、気分障害1万2千人、
認知症1万1千人、神経症性障害6千人などとなっています。

 日本の現状と同じように種子島も人口減少が進んでいますが、精神疾患もそれに比例して少なく
なって来るかも知れませんが、「せいざん病院」の役割は何ら変わることはありませんので、
私達は心を病む人のために誠意をもって当たらなければなりません。

 昨年10月5日に制定された、マイナンバー制度がいよいよ今年より始まりました。国民1人1人
に12桁の番号がつけられることになりました。社会保障関係の手続、税務関係の手続、災害対策
に関する手続などが、より正確に、より効率的に行われるようになる、ということです。私達の
背中には、プロ野球選手やサッカー選手のように背番号がつけられたのです。

 このマイナンバー制度で私が思い出すことは、第二次世界大戦で、ヒトラーのナチスドイツ
が、約3千万人のユダヤ人を殺したことです。
 アウシュビッツの収容所で、食事を与えず餓死させたり、ガス室に送り込み毒殺したり、
銃殺などで大量の殺戮を行いましたが、その際、ユダヤ人の1人1人の腕や胸に、入れ墨の番号を
彫り入れたあの生々しい映像や記録が、私の頭から離れられないのです。
 今、日本では戦争の足音がかすかに聞こえて来るように私には感じますが、日本が二度と
戦争へ向かわないことを、マイナンバー制度がそういう事に利用、悪用されないように祈るばかりです。

 関東地方での話ですが、或る男から70才台の女性に電話で、困っている人に寄付をしたい
ので、マイナンバーを教えてほしいとの連絡が入り教えました。
 今度は暫くしてから別の男から「教えたことは犯罪になる」と脅かされ、数百万を奪われる
という記事が新聞で報道されました。
 「あなたの番号が流出した。対策費が必要だ」と迫るケースなど、詐欺師が暗躍している
ようです。皆さんも呉々も注意して下さい。

 本年も皆さんが健康で幸せでありますようにお祈り申し上げます。

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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