朝礼訓辞

平成26年9月 朝礼訓辞

新潟県にマルソーという運送会社があるそうです。創業100年、従業員670名、年商60億のそう大きくない会社です。

 

現在3代目が社長ですが、その社長がまだ高校2年生の時に、2代目社長である父親が会社の事務員の女性と姿を消しました。
 新潟県の田舎町のこととて、その噂はあっという間に広がりました。
取引先も従業員も離れていき、手元に残ったのはトラック3台と多額の借金でした。

 

途方に暮れる母と妹たちを前にまだ16才だった現社長は「今成すべきは、家業を守り、従業員を守ることだ、そして家族を」と心に決めました。
どうにかして高校を卒業、職業訓練所で自動車の整備と、夜間の短期大学で経営学を学びました

。  

その間、文字通り必死の思いで家族と従業員を守りました。
やっと経営が軌道に乗り始めた時、失踪した父に頭を下げ、会社に帰ってきて社長に復帰して貰いました。
自分は専務として父を支えて、立派に会社を建て直し、現在3代目社長として陣頭指揮を取って居られるそうです。

 

勿論、失踪当初は父親を恨みました。しかし、あの時のあの苦難が無ければ、自分は平々凡々のただのボンクラ後継者で終わってしまったのではないか。
あの生きるか死ぬかの数年は、天が自分を大きくするために与えて呉れた試練であった、と述懐して居られるということです。

 

私達の生涯には、どんなことが起こるか解りません。
何時、どんな型で来るかも解りません。人生だれしも順風満帆とはいかない事が多い。いつ苦境に陥るか解りません。
 次から次へと押し押せる波に向かって私達は決して諦めることをせず、希望を持って生きていかなければなりません。勇気を持って立ち向かわなければなりません。

 

9月に入りましたが、残暑が厳しく、台風の襲来も予想されますので、体に気を付けて皆さん一緒にがんばりましょう。

~平成26年9月号「到知」より抜粋~

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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