朝礼訓辞

令和2年8月 朝礼訓辞

 ややこしくて、煩わしいのが人生です。皆さんそう思いませんか。
降って湧いたようなコロナの問題で、世界中が今、大喧騒の中にあります。
 自分の思うようにならないのが人生ですが、思うように生きて来た人が中国にいます。

 約2500年前、孔子という思想家がいました。
いろんな事があったでしょうが、きちんと立派な人生を送り、数多くの人生訓を残しています。
 人生は、志を持って生きることが如何に大切かを説いて、これを「論語」という本にまとめました。

それをまとめて解りやすい言葉で云うと、「私は15才で学問に志し、30才で自立しました。40才で物の道理がわかり、心の迷いがなくなり、50才で天から与えられた自分の使命、運命について自覚しました。60才で、どんなことでもよく理解できるようになり、70才になり、自分の思いのままに行動しても人の道を外れることがなくなった」と云いました。
 80才ではどうだったのですか、と尋ねた人がいましたが、実は孔子は73才で亡くなっていますので、80才のことは書いてありません。それにしても私など、80才にしていまだに心に迷いがあり、もし、90才まで生きたら、はたして悟りを開けるものだろうかと、今から心配しています。
これを難しい言葉で表せば、子(しの)曰く(たまわ)、吾十有五にして学に志す(志学(しがく))。三十にして立つ(而立(じりつ))。
四十にして惑わず(不惑(ふわく))。五十にして天命を知る(知命(ちめい))。六十にして耳順(したが)う(耳順(じじゅん))。七十にして心の欲する所に従えども矩(のり)を踰(こ)えず(従(じゅう)心(しん))となります。

 2500年前の一人の人物の生きざまが、時を経て尚、これほど強く、深く、人々に影響を与えているということは驚きです。
 初めに云いました通り、ややこしくて、煩わしく、心配事ばかりで、悩みの多いのが私達の人生です。

 その一方で、豊かに充実して行くのも人生です。そのためには、私達は何に対してもどんな困難にも強く生き、真面目に生きなければならないのです。
 誠実に真面目に生きて参りましょう。

 今、私達は距離をおいて人と接することを強制される時代に生きています。

 種子島にコロナを持ち込まないために、皆さん力を合わせて頑張りましょう。
 暑い日が続きます。熱中症や食中毒に気を付けながら、今月も頑張りましょう。

 今月もよろしくお願い申し上げます。

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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