朝礼訓辞

令和2年4月 朝礼訓辞

 スペインの作家、セルバンテスの書いた小説ドン・キホーテの中に「嵐は過ぎ去る、夜は明けるもの、どんな困難も必ず開ける」という言葉があります。

 去年12月、中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が発生しました。云うまでもなく新型コロナウィルス感染症です。
 あれよあれよという間にこの4ヶ月余りで全世界に拡がり、昨日の時点で世界で130万人の発生があり、7万人が死亡しました。
 日本では昨日現在、5000人余り発生し、100人以上の人が死んでいます。たかをくくってはいけません。油断してはいけません。この種子島には決して入って来てほしくないと思います。
 ですから、私たちはマニュアルにそって、手洗い、うがい、マスクを怠ることなく、万全の備えをしなければならないのです。

 100年前に流行したスペイン風邪と呼ばれたインフルエンザでは、地球上5億人がかかり、4000万人の人が死んだと云われています。
 それから100年経っていますので、医学や情報が発達して来ましたので、そこまでは、とは思います。人類は歴史上今までに、ペスト、ライ、天然疫、結核などの病気と闘い、これを克服して来ました。

 3月26日の南日本新聞の南風録にのっていた記事です。

 数人の男が小舟にのって海に釣りに出掛けました。夢中になっているうちにすっかり日が落ちてしまいました。慌てて灯をともし、あちこち照らしましたが何も見えませんでした。そこで1人の知恵者がいて云いました。「灯を消せ」闇の恐怖にしばらく耐えると目が慣れて来て、かすかに町の明かりが見えるようになりました。そして全員岸にたどり着きました。

 今は、日本中が、世界中が、闇の中を漂う釣舟のような状態ですが、1人1人が落ち着いて、不要不急の外出を控え、冷静に対応していればきっと明るい希望の光が見えて来る筈です。
 新しい年度に入りました。これからの1年も、そして今月も、皆さん一緒に頑張って参りましょう。

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

トップへ戻る
スタッフ
アクセス
新着情報
ギャラリー