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私達一人一人の生活や心の中には、思いがけないことが突然襲ってくることが度々あります。そして、冷たい隙間風が心の中に吹くことが度々起こります。次々と襲いかかってくることだってあります。
それは病気であったり、大切な人の死であったり、事業の失敗など大きさ、深さもそれぞれ様々です。
ある女子大生が思いもかけず、婦人科の手術をしなければならなくなりました。夏休みも終わることで、手術は成功しましたが、主治医から子供が産めなくなったかもしれないと知らされました。
この女子大生にとって非常にショックだったのは、結婚を前提につきあっている男性が、無類の子供好きだったからです。
隠しておこうと思ったけれども、いつかは解ることだからと覚悟を決めて打ち明けました。
すると相手の男性は、彼女の話を聞き終えた後、優しく「心配しなくてもいいよ。
ぼくは赤ちゃんの産める君と結婚するんじゃなくて、"君"と結婚するんだから」と言ったそうです。
こういうのを「無条件の愛」と言います。
「人を愛すると言うこと、人を許す」ということが、どんなにか美しいものであるかを、この出来事を通じて知ることができます。
そして、人間には順風満帆な人生などというものは決してない、皆が難儀苦労しながら、明日を心配して床につかなければならないのだと思います。
「せいざん病院」も2年目に入りました。いろんなことがあるかも解りませんが、皆さんと力を合わせて、患者さんのために、自分のために家族のために頑張ってまいりましょう。
何卒、新年度も今月もよろしくお願い申し上げます。
「置かれた場所で咲きなさい」 渡辺利子著 より抜粋
医療法人純青会 せいざん病院
理事長 田上 容正